「学習塾」というと、普通中学受験や高校受験をする若者が通うところですが、最近はおとなのための「学習塾」が出てきました。その中で、治療としての学習療法が大変人気になっています。
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この「学習療法」は大人気のニンテンドーDSのソフト「脳を鍛える大人のDS脳トレーニング」を監修した、東北大学未来科学技術共同研究センターの川島隆太教授によって研究されている認知症高齢者のための治療です。「学習療法」の具体的な中身は、音読と計算を中心とする教材+学習者と支援者がコミュニケーションをとりながら行うものです。これによって、学習者の認知機能やコミュニケーション機能、身辺自立機能などの大脳の中でも重要とされている部位である前頭前野機能の維持・改善がなされるということです。
額の後ろあたりの脳の部分で、社会で問題となるコミュニケーション、感情、食事や衣服の着替えなどを含む身辺の自立はすべてここが行っているということです。だから、人間は、この前頭前野が発達した生き物ということになります。
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機能的磁気共鳴映像法と意味の言葉ですが、これによって血中の酸素レベルの測定が可能となり、脳のどの部分がとくに活発に働いているかが映像でわかるようになります。例えば、計算してるとき脳のどの部分が働いているかとか音楽を聴いているときはどうかとか視覚的に見ることができます。
fMRIを使う事によって、一生懸命何か考えているときより、一桁の計算や音読を行っているときの方が脳の前頭前野が活発に活動していることが分かってきたわけです。さらに、すらすら計算できるようにしたり速く音読したりできるようにすると、前頭前野はより活発になることも分かってきました。
この結果をもとに、前頭前野の維持・改善を図る実践が行われました。「読み・書き・計算」の研究は2001年から福岡県大川市の社会福祉法人と共同で、70歳から98歳までの47人を対象に実施したところ、6か月で学習をしたほうが学習をしなかったほうに比べ、脳機能の低下を防いだ結果がでました。その結果は、数値のみならず、感情を取り戻したり、トイレの世話が自分でできるようになったりと目に見える改善が見られました。 学習療法研究会をいうものも存在しており、この研究会では、学習療法の理論によって老人認知症の症状克服に向けた新しい提案が行われています。この研究の実践事例発表会が2008年9月から11月の間で、札幌、東京、大阪、仙台、岡山、名古屋で開かれるそうです。これらの研究は、学習塾で有名な「公文教育研究会」が教授とともに行っていることからも、大人のための「学習塾」が必要という考えが動き始めているようです。
最近では、認知症が老人とは限らないことがはっきりしてきています。そのことだけでなく、年を重ねると衰える「人間の特徴である前頭前野」のはたらきを維持することが必要になっていくのではないでしょうか。